名前のない女

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ホッブズ リヴァイアサン 社会学ノート

 

ホッブズの著作 リヴァイアサンについて自分の勉強の為にメモしたものです。

海外で講義を受けているため、日本語的な表現とは少し違っている部分があるかもしれません。あくまで、参考程度に見ることをお勧めします。

 

ホッブズ リヴァイアサン

 

 個人が契約し社会を作るのは自身が保護されるためである。人々は自身の生命を守るために国家を作った。絶対的権利の重要性。

 ホッブズの時代背景は、貴族の時代が終わり、王政に移行したが、清教徒革命により国王派と議会派で国内がぐちゃぐちゃになっていた時期だった。ホッブスは自分の時代を無秩序と見ていた。

 自然状態で起きる万人の万人に対する闘争。 何を根拠に個人が暴力的であるとするのか? ホッブズー人は平等(能力において)であるとした。それらが同じものを望むから競争が起きる。そしてホッブズは内在的道徳律が無いと見ていた。現実的人間を仮定していた。そして闘争は個人の持つ自然権によって正当化される。

 彼の思想において革新的なのはその思想の出発点が個人にあることである。近代化(科学発達、宗教改革、貨幣、国民国家)の影響からこのような思想が生まれることが出来たものと考えられる。彼以前の哲学者、思想家はだいたいその思想の始まりが神であった。

 自然法―生命・自由・財産。人間が作ったものではなく、見つけたものと言った方が正しい。自然権ーこれらを得る権利。人間は平和の為に必要な権利(自然権)をすべて放棄しなければならない。個人にとって最悪な状況を避けるために個人たちの自然権を君主に譲渡させようという話。核心は個人の利害関係により国家が作られるという事。個人の利益の為に皆が一斉に放棄しなければならない。相互性の原理。

 それらは第三の人格体(国家、リヴァイアサン)に渡す必要がある。それによりcommonwealth(強力な共有権力)が形成され、国家は強くなり、国民を守る。譲渡するという事は自身は他人に強制力を使えず、物理的強制力を使えるのは国家だけという事になる。契約を守らせるのが国家の正義。 国家がすべき目的、役割、機能はなんなのか? 国家形成の目的は個人の保全である。1.秩序維持。2.戦争(国防)。国家は絶対的なものでなければならない。 国家が批判されてはならない<-自然状態に還ってしまうから。 国家は常に公益を追求するから。国家は変更できない<-代案が無いから。 国家は処罰できない<-処罰する力を国家が独占しているから。

 第三の人格体である国家(君主)にすべての権力(自然権)が譲渡されねばならない。国家は絶対的であり批判されるようなことがあってはならない。ホッブズのいう君主制において重要なのは私益が公益と一致するという事。人は必ず私益を追求する生き物なのだから、つまり私益=公益になっている国家が一番正しいと考えた。その他の政治形態、寡頭制や民主制では国家権力が私益により分散し、結果的に公益を成せないと主張した。